看護師という仕事は残業が当たり前というイメージがあります。看護師が全員残業を強いられているわけではなく、勤務先や業務内容などによって一人一人違うのが実情です。しかし、全体的な傾向を見ると、多くの看護師が残業を、しかも、長時間の残業を強いられているのは事実と言えるでしょう。

例えば、2013年に日本医療労働組合連合会が行った看護師の労働実態の調査では、調査対象の看護師の約90%が時間外労働を行っていたことがわかりました。そのうち、時間外労働の時間が月に20時間以上の人が全体の20%強、30時間以上の人も8%を上回っています。さらに、50時間以上の時間外労働を行っている人も全体の1.7%ほどいて、なんと過労死ラインを超えた月60時間以上の人が0.8%もいたのです。3万人以上の看護師に調査した結果ですから、0.8%といっても250人ほどに上ります。

看護師という仕事柄、急な対応が必要なことも多く、自分では残業したくないと思っても残業をせざるを得なくなることはあるでしょう。しかし、本当に残業を減らしたいのであれば、一人一人の看護師がその意識を強く持って、毎日の業務に当たるしかありません。残業が当たり前ではなく、定時までに業務をすべて終わらすのが当たり前という姿勢で、毎日の業務に当たる必要があるのです。

一人一人の意識が変われば、全体としての意識も変わります。全体の意識が変われば業務効率にも変化が見られるでしょう。一朝一夕に変えられることではありませんが、残業を減らすには一人一人の意識改革が大切なのです。